痩せたいけど✖痩せられない

痩せたいと念じつつ、幾年月。既にどうでも良くなってる昨今ね・笑

生きることをやめない。

近所に、いつもおなかを空かせてて、がりがりに痩せた半野良の猫がいる。
その猫はもともと飼い猫で世話をしていたお宅で避妊もしてもらい室内飼い・・脱走を繰り返し、
現在はもう自宅に上げることもなく外飼いで放置気味。
近所の数軒のお宅が、時々餌を与えて・・かろうじて生きながらえているような状況。
年齢も、もう十歳をとうに超えているので、人間でいうと六・七十歳くらいだろうか。
ガリガリにやせまくり、餌をくれそうな人にニャーニャーと鳴いててついて回る。
見た目・・もう今年の冬は越せないだろうと感じていた。

ある人の言葉で『動物はただ生きていくためだけに精一杯生きている』
何の損得も無く、ただ生きていくことに真剣だと。

そのガリガリに痩せている高齢猫は、いまだに生きることをやめていない。
その猫は精一杯、餌を要求し、まだ生きていくことに貪欲なのだ。
凄い。

アタシは十月ごろ、、夜に、散歩したり買い物に出たりしてその猫に何度も遭遇。
さらに怪我をしているのに気付く。
のちに近所の人に聞いたら、夏に怪我したらしいがいまだに治っていないとの事。
栄養状態も悪く、高齢となれば傷の治りも悪いだろうね。

まだ寒くなる前の十月半ば・・夜ごはんだけでもおなか一杯に食べたら・・少しやせ度が改善して傷の治りも早くなるかな・・と
夜に、闇にまぎれていつも猫がいる駐車場の車の陰でご飯をあげていた。
もちろん、ご飯の容器の回収にも行って、散らかしたりしないように気を付けた。

その猫は・・容器回収後にアタシの後をつけてきたのだろうか?
我が家の場所が、その猫にばれていたのだ(゚Д゚;)
ある日の夕方、買い物から帰ると、うちの玄関の扉の前で、その猫が『ニャーん』と鳴いた。
『おおっ』
夜中に駐車場に行くのは危ないと家人に言われていたので、自宅内で餌やりできるなら
安全でもあるか('◇')ゞ゜てへ。

こうなったら・・面倒見てあげよう。
もういろんな人たちに付きまとって餌を欲しがらなくても探さなくても
良いようにしてあげたいと思った。

保護団体さんの方にも意見を聞いた。
逆にお礼を言われてしまった。
『保護してくれてありがとう』と・・。
『高齢の野良猫には、好きなものを好きなだけ食べさせてあげて』・・と、
保護団体付きの動物病院の先生の言葉だと聞いた。

以来、ずっと玄関に居座っているが、十一月に入ると極寒の夜。
玄関の屋根付きの所に、段ボール箱を組み立てて入り口をくりぬき、
緩衝材をまいて寒さ除けの段ボールハウスを制作。
発泡スチロールなんぞももらって来て、床に敷いて寒さ除けもバッチリ。
古いセーターやらバルキータイツやらを中に敷いて、夜はホッカイロを入れて暖かくしてあげた。
以来、すっかり気に入ってくれて、ほぼ一日その中で過ごすようになった。
面倒を見て、約二か月。
当初、背中を撫ぜると背骨の一つ一つごつごつを感じるほど骨と皮。
うちの肥満気味の猫たちの触り心地とは全く違う激ヤセだと気付いた。
やはり二か月くらいでは激ヤセが治るわけもないか・・。
でもうっすらと背骨に薄い肉が一枚ついてきたくらいになってきたか?
後々、色々と聞いてみると、十四歳は軽く行っているということになった。
半野良で信じられない年だ。
本当は何歳なんだろう。
高いところには飛び乗れない様子を見ると、確かにかなりの年なんだろう。

今日もおばあちゃん猫は、ご飯をモリモリ食べてもなわばりを見回り、
年寄りのくせに、大猫に喧嘩売ったりしている(気が強い)から怪我したりする。

死ぬまで、生きるのをやめない老猫。
生きることに一生懸命だ。
目力はまだまだ強い。
老猫の生きざまを感じている今日この頃。

しかし、あまり撫でると怒るので、つかず離れずな距離感。苦笑



ただ、別の考えも浮かんでいた。
つまり自然淘汰の姿をアタシはもしかして、邪魔したのだろうか。
高齢で激やせで、餌も十分もらえず、極寒に耐えられずに・・天命となる姿だ。
アタシが餌と寝床を作ってしまったことで、野良としての苦しい猫生を長らえさせてしまったのだろうか。

色々と・・考えてしまう。
なんか深いよ。