痩せたいけど✖痩せられない

痩せたいと念じつつ、幾年月。既にどうでも良くなってる昨今ね・笑

六十年前の新生児取り違えに思う。

 昭和28年、出生直後に産院で別の新生児と取り違えられ、
本来と異なる人生を余儀なくされたとして、都内の男性(60)と実弟3人が
産院側に賠償を求めた訴訟で、東京地裁は11月26日、3800万円の賠償を命じた。
生活保護を受けながらテレビさえない6畳の部屋で共に育った家族。
片や、家庭教師をつけ兄弟全員が大学へ進学した「本当の家族」・・・。


この事件を聞いたとき、何が起こっていたのかはじめは理解できなかったが、
詳しく知ると・・、とんでもない事が起きてしまっていたという感じだ。

そして、この報道が流れる度に涙腺がウルウルしている。
正直な感想としては、なんと皮肉なんだろうという事だ。
まるでフィクションドラマのような・・。

取り違えられた家が、どちらも中流家庭、もしくは一般家庭より裕福、
もしくは貧しい系・・と、同レベルであれば取り違えの60年の人生・・
とりあえず・・大変な事だけど、ざっくりトントンという事で・・。と、
マジで言えない状況だ。

現実には、一方の家は庭に池のあるような裕福な家庭。
子供四人はすべて私立高校から大学、大学院に進学し、一部上場の企業へ
就職しているという。
取り違えられた子も小学生から家庭教師をつけてもらい大学を出て、
良い企業に就職し、現在は不動産会社の社長をしているという。

そして、本来は裕福な家庭の長男として育つべき子は、
四人兄弟の末っ子(三男は既に死亡していた)として貧しい家庭で育つ。
二歳の時に父親を亡くし、母子家庭となり親子が一室のアパートで、
当時の生活家電は殆ど無く、生活保護を受けながら貧しい家庭で育つ。
後に、中学を出て町工場へ就職、働きながら夜間高校を出る。
職を転々とし、現在はトラックの運転士として働いており、介護が必要に
なっている長兄の世話をしているという。

何かもう、、こんな格差のある取り違えは・・悲しすぎるね。
唯一、救われるのは、貧しい家庭へ取り違えられた男性の、淡々とした会見。
そして、貧しい中でも育てのお母さんはきちんと子育てした人と感じる事。

育ての親は出来ることは精一杯のことをしてくれた。
私のことはとても可愛がってくれた。
兄弟で遊んだ経験は無いが(年の離れた末っ子に)兄達は良くしてくれた。

苦しかった生活の中でも、男性が母や兄弟に感謝している事が切ない。

かたや・・
金持ちの家の長男として育った男性。
豊かな家庭で、その恩恵を受けてナニ不自由なく成人し、かなりラッキーだったろうが、
本当に幸せだったのかといわれたら・・
想像でしかないが、いつも身につまされていたのではないだろうか?

自分の母親からも親族や知人からも
『誰に似たのか・・、親族の中でも誰にも似ていない』と言われ続けていた。
大金持ちの家庭だと、相続等の関係もあって、一族に他人が紛れ込んでいる事を
非常に嫌がる傾向。
さらに、母親は長男以外の兄弟に話していたことがあった。
『出産後の沐浴から戻された時に自分の用意した産着ではない物を着て戻った』
と、いう事なので・・。
ずっと心のどこかで長男を他人ではと、疑っていたのだろう。

こういう経緯からも、この取り違えられて長男として育った男性は、
微妙に居心地は良くなかったのでは?
後に、父親の介護に非協力的と三人の弟達ともめて、血が繋がっていないのでは?と、
DNA鑑定隣、まったくの赤の他人と判定が出た。
そして、弟たち三人の本当の兄探しが始まり・・六十年後の真実となる。


取り違えの本来貧乏男子は、確かに金持ちで、金銭的地位的には満たされていても・・
育って来た過程で、心のどこかで寂しい気持ちがあったのではと思う。
父親の介護に非協力的というが・・
多分、ずっと昔から、親に対して(もしくは、この一家に)一線を引いて
育って来た人なんじゃないかと勝手に想像する。
それゆえに親の介護にも熱心な気持ちにはなれなかったのでは・・と
推測してしまう。
確かに現在の段階で裕福ではあるから、彼は慰謝料云々の請求はしていない。
なんとなく、この話題の登場人物としては主役でもあるのに置き去りで、
果ては『悪者』っぽく印象付けられてしまい気の毒な限りだが、どう考えても、
彼も間違えなく被害者の一人だということ。
ソレは、貧乏家に取り違えられた男性もキッパリと話している。
『彼も被害者であることは間違えないので、何もいう事は無い』と。

天国の育てのお母さん・・アナタに心から合掌させていただきます。